たろうは生涯1.6kgのチビポメで、とっても器量よしの♂だった。
でも いわゆるガウガウ犬だった。
問題行動のオンパレード。
我が家に来た時点でまだ十分仔犬だったと記憶してるが、父親の知人は扱いに困り果てて引き取ってくれと頼んできたらしい。いや別に、父は躾の達人でもなんでもないので、そんなことを頼むのも引き受けるのも今思えば不思議な話だ。
生まれつきの気質っていうのも確かにあるんだろう。
だけどたろうをガウガウ犬にしたのはあきらかに我々飼い主の間違いだ。
思い返しても、無知な私達はやってはいけないことばかりしてた。
粗相を見つけたら鼻先くっつけて叱るとか(現行犯でない場合もあったな)
小型犬だから室内で運動が足りるんだって、散歩にほとんど連れて行かないとか。
よく吠えるのは犬種特性で仕方ないんだと漠然と思っていた。
くるくる回りながら吠えるのがストレス行動だなんて思ってもいなかった。
人の手にマウンティングするのも、去勢してないからゴメンね、という意識はあったけど
順位付けの意味があるなんてことも知らなかった。
「構って」とばかりに人の膝を前足で掻くが、抱き上げようとすると唸る。咬みつきもしょっちゅう。
老犬になってからは同居の猫に異様なほど保護者意識を持って、人間が猫を構おうとすると威嚇してたっけ。
今となっては天国のたろうに謝るしかない。
それでも家族みんなたろうをこよなく愛していた。
私もやっぱりポメは可愛い、飼うなら再びポメ、の気持ちだった。
正直 おバカでも可愛いからいいという気持ちがあった。
生き物と一緒に生活する、世話をする、という覚悟はしていたものの 躾に対する認識が甘いままにこたろうを迎えた。
ポメラニアンの飼い方本を2冊ほど読んでからだったけど、いざ犬がくるとそれだけでは全然情報が足りないと気付く。慌ててネットであちこち見て回る。色んな人のブログ、QAサイトを読む。
犬を飼うってなんて責任重大なことなんだろうとようやく分かって、凹む。
トレーニングをしないのは育児放棄だという言葉にショックを受ける。
事前に情報収集していたら、多分怖気づいて犬は飼えなかったと思う。